生体認証とは

IDとパスワードの代わりに生体にて1度で認証できる。
人間の身体的特徴である指紋や静脈、顔、声などの要素を使って本人を特定する仕組みで、「バイオメトリクス認証」とも呼ばれます。 あらかじめ個人を特定できる身体的または行動的な特徴を登録しておき、認証時に照合して本人かどうか判断します。

生体認証の代表的な種類 #

認証に使うことができるのは、一人ひとりが異なる特徴を持つ身体的な情報です。

1. 指紋認証 #

もっとも身近な生体認証が指紋認証です。指紋が一人ひとり違うことを利用します。 事前に指紋をコンピュータに登録しておき、認証時にセンサーで読み取った指紋と登録画像を比較して、一致したら本人だと判断する仕組みです。 小型化・低価格化が実現し、現在は個人用途の認証にも広く使われています。 スマートフォンやノートPCの認証方法として多く採用されています。空港での指紋認証ゲートなども。 iPhone のTouch ID(指紋認証)など。
faceid

2. 顔認証 #

個人の顔の特徴を認識して本人を特定する認証方式です。顔のパーツのうち目・鼻・口の3点の位置やバランス、大きさなどを元に本人かどうか照合します。 空港の出帰国手続で顔認証ゲートでも使用しています。これは、パスポートに埋め込まれたICチップに保存されている顔写真と、ゲートで撮影した顔の画像を比較して本人かどうか照合します。 iPhone のFace ID(顔認証)、出帰国手続で顔認証ゲートなど。

3. 静脈認証 #

手のひらや指の静脈パターンを読み取る認証方式です。指紋認識よりも10倍以上精度が高く、偽造が困難であるのが特徴です。銀行のATMでは生体認証装置に指を乗せて、キャッシュカードのICチップに事前登録しておいた静脈パターンのデータと同じものかどうかを照合します。
直接装置に触れるタイプと、カメラで撮影する非接触のタイプがあります。後者の場合は専用機器が不要です。

4. 虹彩認証 #

Iris recognitionとは、眼球の色がついている部分で瞳孔以外の部分を指します。その人ごとに異なる虹彩の色やパターンを判別して本人を認証します。生体認証の中でも誤認率が低いのが特徴です。一部のスマホで認証方式として利用されています。

5. 掌紋認証 #

手のひらの隆線が作る文様(紋理)を利用した認証です。
手のひら全体の模様を使って照合します。 手のひらの静脈を認証に利用する「手のひら静脈認証」と混同しがちですが、掌紋認証の場合は掌紋パターン検出センサーが手のひらの画像から掌紋や関節の特徴量を抽出し、事前に登録しておいた掌紋データと比較することで照合します。

6. 声紋認証 #

声紋とは声の特徴のことです。個人の声の発音・アクセント、発話スピードなど話し方に係る特徴から特徴点を抽出し、それを個人ごとにパターン化したしたもので認証します。
ある特定のフレーズを使って認証する「テキスト依存方式」と、自然な会話を登録して認証に用いる「テキスト独立方式」の2種類があります。スマートスピーカー(AmazonEcho・Google Home・Clova WAVE)で使われているのはテキスト依存方式です。

7. 耳形認証 #

耳のかたち(耳介)の特徴をデータとして登録し、本人と照合する認証方式です。耳のかたちは個人差が大きく、離れた場所からでも確認することが可能であるというメリットがあります。
耳音響認証という耳穴のかたちを音で識別する新しい耳の認証方式も登場しています。これはマイク一体型のイヤホンを耳に装着し、耳の中で反射して戻ってくる音をマイクで取得して本人を照合するものです。

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